特定非営利活動法人 建築Gメンの会

欠陥住宅・欠陥建築で悩む人を救い、第三者検査の技術向上を目指すNPO
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欠陥住宅をつかまないために[工事中編]

契約時編宅地探し(地盤調査)編建売住宅購入前編マンション編工事中編最終チェック編

工事中は現場に足を運ぼう
「あなたの家は、本当に、工事監理されて建てられていきますか?」

「工事監理」とは「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう」(建築士法)。

カテゴリー
工事中の注意点工事監理者監理体制住宅公庫による検査性能評価委員による審査建築士による設計役所による検査役所による建築確認追加・変更工事の注意点工事途中の料金の変更

Q1工事中の注意点を教えて下さい。
A:工事に着手したら、施工業者にまかせっきりではいけません。工事中は、次のことに注意しましょう。

工事工程を把握する。

施工工法によって工期は異なります。工事の流れを、時間の経過にそってまとめた「工程表」を請負会社から必ずもらい、工法毎にふさわしい期間をかけて施工しているか確認しましょう。

定期的に現場に足を運ぶ。

定期的に現場に足を運び、工事中の写真や記録をとりましょう。このことは、証拠を残すという目的以外にもっと大切な、工事人とのコミュニケーションを十分に図ることにつながります。

定期的に打合せを行う。

打ち合わせは、①定期的に行う、②必ず記録をとって、その場で決定事項を確認し、書面(打合せ記録)を作成して関係者が書面捺印、コピーをとり各人が保管する、③設計変更などの場合は、それに伴なう金額を提示してもらい確認するを励行することが重要です。後々、言った言わないのトラブルを軽減します。

第三者の建築士に一緒にみてもらう。

どんなに勉強をしても、建築は素人には分からない部分が多いため、特に基礎工事、上棟時、引渡し時には、利害関係のない第三者の建築士に一緒にみてもらいましょう。

地縄張り地業に立ちあう。

地縄張り地業とは、建築士が紙に書いた設計図を、本当の敷地の上に「縄を張って」書き込む、住まいづくりで「初めての実感が得られる」工事です。このとき、紙の上で検討していた段階ではわからなかった問題(隣地との間隔など)が初めてわかるものなので、必ず立ち会って確認しましょう。

地盤調査を行う。

宅地探し編でも触れましたが、地盤調査を行い、地盤にかなった基礎を施工してもらいましょう。安全な基礎の上に、はじめて安全・安心な家が建ちはじめます。

おかしなところをみつけたら・・・

①証拠を固め、②書面に仕上げ、③工事の請負契約者に対し、④所定の期間を設けて、⑤書面による回答を求める、のが基本です。書面による回答が施主に届いたら専門家と施主が相談して、請負工事業者の回答が妥当なものであるか検討します。検討の結果、妥当であれば和解して補修工事を指示するし、回答が納得できないならば改めて突っ込んだ話し合いをします。

構造上の欠陥は、通常、内装工事の前に補修しなければ修補不能となるため、請負人は一旦工事を中止して、欠陥を補修しなければなりません。注文者は、相当の期限を定めて欠陥の補修を催告し、請負工事業者がそれを履行しない時は、請負人の債務不履行を理由として請負契約を解除することができます。契約を解除した場合、欠陥のない既施工部分の工事代金は原則として支払う必要があります。ただし、注文者は欠陥の補修工事及び残工事に要する費用のうち、当初の請負代金中の未施工部分の補修相当額を超える額の損害賠償請求ができ、未払い代金との相殺ができます。工事中のおかしなところを見つけたら、まずは第三者の建築士などの専門家に相談しましょう。

Q2確認申請書に工事監理者が定められているから大丈夫ですよね?
A:建築士が名義貸しをして、一度も現場に現れない場合が非常に多いので、安心できません。

Q3施工業者が「監理には特に力をいれている」と言っており、カタログ・広告にも社内のしっかりしたチェック体制が明記されているので大丈夫ですよね?
A建物を造る側の人が、厳しい目で監理するとはとても思えません。建主の立場に立って工事監理をする人が必要です。「私達は工事監理に力をいれていません」と言う施工業者はいないでしょう。

Q4住宅金融公庫の融資を受けており、公庫の検査があるから大丈夫ですよね?
A:「公庫の現場審査は、公庫が融資する住宅として定められて建設基準に適合しているか、また、資金交付の出来高に達しているかどうかを中心とした審査ですから、いわゆる建築主が行う工事監理のように、すみからすみまで検査するのとは違います。したがって、仕上げ、施工などの良否の工事監理をするのは、工事監理者を別に決めて、審査してもらうことが必要です。」と公庫の書類に明記されており、実際に、検査員は現場をきちんと見るだけの費用をもらっておらず、限られた費用の中で十分な検査が行われる訳がありません。

Q5性能評価の認定を受ける建物で、性能評価員の現場審査を受けるから大丈夫ですよね?
A:公庫の現場審査と同様に、性能評価基準に適合しているかどうかの審査です。また、ハウスメーカー等の型式認定を受けた建物では、型式認定を受けているからという理由で現場検査を行わないことがあった、という情報も入っています。

○ 住宅性能表示制度の概要

住宅性能表示制度とは、主に目に見えない部分の性能表示、共通のルールのもとで住宅を供給できる市場条件を整備したものです。性能の優越を競うことが目的ではなく、評価書に表示された性能は契約内容であり、第三者の評価員がチェックします。

メリット
  • 消費者にとっては品質・安心・資産価値を得られ、生産者・販売者にとっては技術能力を第三者に評価してもらえる。
  • 任意(評価は消費者の希望)のため、選択肢が広がる。
  • 部分ごとに他物件と比較ができ、選択の参考になる。
  • 施工段階で最低4回の検査がある。
  • 設計及び建設住宅性能評価書の内容が異なる場合、工事をやり直ししてもらうことができる。
課題・注意点
  • ライフスタイルに合わせないと無駄な出費がかさむ。
  • 評価等級が高いからといって一概に優れている訳でなく、現実とかけ離れている項目もある。
  • 全国一律の評価内容で、個々の状況にあわないこともある。
  • 都市型住宅や大手工業化住宅が高い評価を受け、中小工務店では対応し難い。
  • 制度を生かすためには監視の目が必要である。
  • 消費者が制度に関心を持ち、主旨・性能、メリット・デメリット、課題・現状を知らなければ制度が生かされない。

Q6自分で選んだ建築士が設計をすることになっていますが大丈夫でしょうか?
A:きちんと監理業務委託契約書を交わして、業者と癒着することなく業務を遂行してくれる建築士であれば、一応は問題ありません。

Q7役所が中間検査、完了検査を行うことになっているから大丈夫ですよね?
Aこれまでも義務付けられていた検査が真っ当に行われていなかったのですから、法律改正後もきちんと行われるという保証はどこにもありません。

Q8役所が建築確認したのだから設計に問題はない?
A:建築確認は建物の面積、高さ等の限られた項目しか確認しません。2階建て住宅の確認申請の際に提出する図面が配置図、平面図、立面図、断面図程度(これだけの図面のみでは家は建たない)ですから、チェックできる項目も限られます。契約前に設計図書一式用意させていないと、建主の利益を守るための工事監理が出来ません。

Q9工事の途中に変更を口頭で申し出たら、現場監督が「いいですよ」といったので同額で変更できると思ったら、工事が完成した時に高額な追加代金を請求されてしまいました。どうしたらよいでしょうか。
A:追加・変更工事は口頭の約束でも成立し、当事者間の口頭の合意によっても契約の成立や変更は有効に行われたことになります。したがって、追加工事の増加金額について明らかな合意がなくても、追加工事の内容について合意している以上、請負工事業者には追加工事相当額の請求権が認められます。こういった予想外の事態を防ぐためにも、追加・変更工事を行う場合は、工事内容・追加代金の変更を行うたびに、変更を書面で取り交しておくことが重要です。

Q10工事の途中で、請負業者から「資材が値上りしたので請負代金を3割増しする」と支払を要求されてしまいました。また、工事途中で地盤が軟弱地盤だった事に気づいたので杭を打ったといって追加工事代金を要求されたのですが、どうしたらよいでしょうか。
A:資材が値上がりしたとか、大工の工賃が上がったという経済情勢の変化があっても、請負工事人は契約した工事金額で工事を完成するのが原則です。したがって、請負工事人からの請負代金の3割増しの請求に応じる必要はありません。ただし、予測することができない法令の制定改廃、経済事情の激変などによっては事情が異なりますので、こういったときには弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。
また、請負人が注文者の合意無しに、杭を打ったといって工事内容を勝手に変更したとしても、その変更したことを理由として追加工事代金を請求することはできません。

以上の事項から、欠陥住宅を防ぐには、業者との利益関係のない第3者の建築士の工事中チェックが必要です。

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