特定非営利活動法人 建築Gメンの会

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悪質リフォーム被害

近年、悪徳リフォーム業者による被害が大変増えてきています。

本会においても、消費者センターやリフォーム被害者から依頼を受け、鑑定書、調査報告書を提出しております。
とりわけ、高齢者を狙ったものが多く、「必要ない補強工事を行っている」、「床下、小屋裏において、必要のない換気ファンをつけている」、「床下に、必要のない調湿剤を敷いている」、「市場価格に比べて高額な契約を交わしている」等の被害が目立っていますが、中には、工事をすることによって、建物が危険な状態になっている場合もあります。
そして、業者は工事を行うと、NHKのシールと同じように、消費者の玄関上部に業者のシールを貼っていきます。恐ろしいのは、そのシールを目印に、同じ業者や、同業他者が何度も訪れ、別の工事を次々と契約していくことです。

それによって、合計数千万円もの金額を騙し取られるケースもあり、「契約して行われた工事が必要な工事であったか調査して欲しい」、「悪徳リフォーム業者に騙された」という当会への調査依頼・相談が、最近増えています。

ここでは、悪徳リフォーム被害にあわないために、①リフォーム工事を始める前に②契約前③契約後④工事中⑤こんな業者を信用して大丈夫?⑥悪徳リフォーム業者の手口(実例)、の6編にわけてまとめました。

1 リフォーム工事を始める前に

新築に限らず、リフォームにおいても様々なトラブルが起きています。中でも深刻なのが、耐震補強などと称し、高齢者等が訪問販売により、次々と無意味で高額なリフォーム工事を契約させられてしまうケースです。とは言え、なぜ無意味なのか、どれ程高額なのか、消費者にとっては判断に窮するのも事実です。
リフォーム工事のトラブルを避けるには、その建物に何が必要か適性に判断することが必要ですが、信頼のおける専門家に相談するなど、新築のトラブルを防ぐ方法と基本的な部分はなんら変わりません。
また、こと悪徳リフォームの防止には、地域のコミュニティや家族のコミュニケーションがなにより大切であることを付け加えたいと思います。

2 契約前には

契約前には、特に、①工事内容をよく把握し、②設計図書・見積書・契約書などの書類の内容を確認し、③不安な場合は人に相談する、の3つの点に注意して下さい。工事の目的・施工箇所をはっきりと決めましょう。
なお、飛び込み訪問営業マンが「建物を補強しないと地震で倒壊する」、「床下、小屋裏が湿気ってるので換気ファンを付けた方が良い」、「床下にシロアリがいる」と言って、必要以上に契約を迫ってきたり、不信に思ったときは、契約をする前に無料電話相談までご相談ください。

3 契約後には

契約に違法性がないかどうか、場合によっては契約解除ができるのかどうか、近くの消費者センター等にお問い合わせ下さい。訪問販売の場合、工事の開始後でも、クーリング・オフ期間内であれば解約できます(特定商取引法第9条)当会では、「工事が必要であったかどうか」、「工事が契約通りかどうか」を技術的に鑑定、調査いたします。

□ 参考 □ 「特定商取引に関する法律」の概要
【訪問販売】
○規制対象:自宅訪問販売、キャッチセールス等(営業所等以外で申し込みを受ける販売)
○規制内容
・書面交付の義務づけ(申し込み時、契約締結時)
・不適切な勧誘行為の禁止(不実告知、威迫困惑行為)
・クーリングオフ(契約後8日間は無条件解約を認める)

4 工事中

工事に着手したら、施工業者にまかせっきりではいけません。工事中の写真や記録をとることも必要です。また、不明な点は聞いて正確に理解することや、追加・変更工事はメモで残すなどしましょう。手抜きや契約と違う時には、問い合わせる勇気を持ちましょう。このとき、「書面」で業者に質問し、「書面」で回答をもらうとよいでしょう。
そのほかに、工事関係者や近隣への配慮なども怠らないようにして下さい。

5 こんな業者を信用して大丈夫?

Q1:営業マンが建物を見て、「耐震補強しないと、大きな地震には耐えられない」「土台が腐っている」と言っているが、信用していいでしょうか?
A:建築士をはじめとする建築の専門家でもない、一営業マンが建物を見て耐震性、耐久性について分かるはずありません。心配なら、建築の専門家に診てもらいましょう。

Q2:契約前に一式金額のみが書かれた見積書しかありませんが、こんなものでしょうか?
A:契約前には、「一個いくらの何を何個取りつけるのか」「1㎡何円の工事を何㎡行うのか」「どこのメーカーの型式何番の器具を取りつけるのか」が詳細に書かれた見積内訳明細書を必ず作成してもらってください。その内容、金額に納得したら契約してください。トラブルになるケース絵は、この見積内訳明細書がないケースがほとんどです。

Q3:契約前に建物の細かい調査をしていませんが、大丈夫でしょうか?
A:リフォームする前には、既存建物がどのような状態であるか確認しなければなりません。工事中に初めて建物の状態が分かってからでは、予定外の補強工事が必要になったとき、追加工事費を請求されかねません。また、建物を細かく調査しないで、建物の耐震性、耐久性についてわかるはずありません

6 悪質リフォーム業者の手口(実例)

ここでは実際に建築Gメンが調査を行った事件での業者の手口を順にご紹介いたします。

ステップ1(営業マンの訪問の口実)

・ 近くに来たので… ○○の点検を…
・ この地区の特別キャンペーン中です…
・ 近くで工事が始まりご迷惑をお掛けするので挨拶に…
・ 下水の点検(あたかも市町村が関与しているような口ぶり)
・ 外壁に亀裂…、屋根瓦が…
・ TVのアンテナが…etc

ステップ2(建物の点検)

話に乗ってしまい建物の点検をOKすると、居住者が簡単に見ることの出来ない床下や小屋裏に潜り、次のような口実を見つけるまたはねつ造します。彼らは本当の意味での建物診断はしない→出来ないのです。
・ 屋根から雨がにじみ出ている可能性がある
・ 床下が湿っている
・ 床下が結露している
・ 調湿材(防湿材)
・ 基礎に亀裂が入っている
・ 小屋裏の梁のねじれや割れ…
・ 野地板が割れている
・ 小屋裏に湿気がある…etc
※これらは実際に有りもしない「ウソ」の説明であることがほとんどです。

ステップ3(工事の必要性を訴える)

・ 屋根瓦や漆喰のシリコンの施工
・ 床組みの補強→金物、樹脂の塗布等
・ 調湿材(除湿材)
・ 防蟻工事(白蟻の消毒)
・ 床下や小屋裏換気扇・攪拌機
・ 小屋組の補強→金物
※その建物が本当に必要としている工事の提案はまずしていない、不適切な工事の押し売りがほとんどです。

ステップ4(見積り・契約)

・ その場で見積りその日に契約を迫る(深夜までの例も)。その価格は異常に高い:通常の3倍
・ 消費者を信用させる材料も整えている→クーリングオフのお知らせ、お客様相談センター、お問合せ窓口、リフォームローン、保証書etc
・ 大きな値引きを提示する(工事金額には特価・大安売り・大幅値引きなどはありません)
・ 工事代金は完成後の一括払いのケースがほとんど。

ステップ5(工事の施工)

・ 工事は即着工し工事期間は短い(1日、長くても2~3日程度が一般的)
・ 工事中に別の工事が必要と次々と持ち出し次の契約を迫る(ほとんど初日)
・ 消費者を安心させる材料を用意→工事報告書の提出
・ 工事の状態は素人仕事
・ 工事終了認定・同意確認書へのサインを求める
・ 完了後シールを貼る→「いいカモ」の表示

ステップ6(アフターサービス?)

・ 3~6ヶ月経過後に訪問してくる。これは、工事後の経過確認・点検と称して次の契約の材料探しが目的です。

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